自分の嫌いなものを声高らかに宣言する人が苦手だ。
人それぞれ好みの違いがあるのは当たり前だが、「嫌い」は負の感情。
それを好きな人もいるかもしれないことを配慮してくれればと思ってしまう。
アイドルや芸能人、趣味などなど。
有名になればなるほどアンチと呼ばれる人がつくが、嫌なら見なきゃいいものを「好き！」と言っている人が多く集まる場所にわざわざ出向いて嫌いを宣言するのはいかがなものかと思う。
こんなことを言う私は「アンチアンチ」。
ブーメランな気もするが「アンチ好き」という人の集団はなかなかないと思うのでご勘弁。
そんな私も以前は声を大にして「嫌い」を主張していた対象があった。
それがタバコだ。
体への害に関しては正直どうでもいいのだが、あの匂いがどうにも好きになれない。なるべく避けて通りたい匂いだ。
だから昔はタバコを吸う人に対してかなり強く文句を言っていた。
「タバコは悪だ」と言わんばかりに。
しかし、ある時気がついたのだ。
タバコは嗜好品であり、みんな好きで吸っている。それを否定することは、私の嫌いな「アンチ」とやっていることは同じなのではないか、と。
タバコが法律違反ならまだしも、一つの大きな産業として成り立っている嗜好品。吸い始めたきっかけは何にしても、皆「吸いたい」気持ちのもとタバコを吸っていることに間違いはない。
それに対して嫌いを押し通す権利など誰にもない。
嫌なら離れていけばいいだけなのだ。
今でも匂いは苦手なままだが、ある程度許容できるようになってきた。居酒屋などにいった後には全身タバコの匂いになるが、そうなるとわかって行ったのは私。風物詩くらいの気持ちでいる。
もちろん、苦手は苦手なので、少しは配慮してもらうこともあるが、昔ほどは主張しなくなった。
最近は喫煙所が撤去されたり、飲食店も全席禁煙になったりとかなり喫煙者の肩身が狭そうだ。
違法でもなんでもないのにここまで規制するのは非喫煙者の私も正直理解できない。
吸う場所を奪ったからと言って、喫煙者が減るわけでもなかろう。
吸う人も吸わない人もハッピーな世の中になればなと思う。
