せっかち小夏のズボラな生活

20代OL気まぐれ日記

読書感想文なんて怖くない!(書き方編)

昨日は読み方について話したので、今日は書き方について。

 

大切なことなので繰り返しいうが、賞を取りたい人は回れ右。

楽に、気軽に書きたい人だけ見てほしい。

 

では、始めよう。

 

まず、読み終えて一番最初に何を思っただろうか。

どんなことでも良い。

なるべく一言で言うのが良い。

スカッとした?切なくなった?悲しくなった?もやもやした?

 

面白くなかった。

そんな感想でも良い。

とにかく一言で表す。これが読書感想文の一言目になる。

 

勇敢な少年のお話、のはずが、私が読み終えて一番に芽生えたのは、もやもやとした感情だった。

 

例えばこれは「桃太郎」を読んだ時の一言目だ。

ここで使って欲しいのが付箋を貼ったページ。

この後話を展開していくにはできるだけ感情が動いたところを使いたい。

付箋のページの感想を簡単に述べて欲しいのだ。

そして、ここに少し、ほんの少しだけ、1、2文であらすじを入れる。

 

この話は、桃から生まれた桃太郎がお供を連れて鬼退治にいく、というお話だ。

 

「桃太郎」ならこんな感じ。

ここで長々とあらすじを書くのは字数稼ぎになるかもしれない。

早く書き終えたい人からすれば一番の近道に見えるだろう。

しかし、書き過ぎると感想のところに移る流れが作りにくくなるのだ。なるべく簡潔にすることで、自分のペースにしていく。

作家に流れを取られてはいけない。

 

ここからがあなたの感想の番だ。

 

付箋を貼ったページに対して、どんな気持ちが湧いたのかを今度は具体的に書いていく。

 

・主人公は、とても勇敢な人で、私には到底真似ができるものではないと心の底から思った。

・優し人の周りには優しい人が集まっていくのだと改めて感じるシーンだった。

・時には無鉄砲に、後先考えすぎないことが、周りを救うことがあるのだと言うことを知ることができた。

・主人公があまりにかっこよくて、「私にもこんな友達がほしい」と思わず声が出てしまった。

 

などなど。

ここに、どのようなセリフや登場人物の行動がそう思わせたのかを書いていく。

 

さらに、自分だったらどうするか、自分の周りにそのような人がいたらどうするか・どう思うか、などを付け加えていく。

自分がその世界に入り込んだら、などは妄想が捗って書きやすくなる。

 

こんなことを書いているうちに作文用紙2枚くらいならいくと思うのだがどうだろうか。

「面白くなかった」と言うときは、どこがどんなふうに面白くなかったのか、なんでそう感じたのか、を追求していくと書ける。

どうせ作者に見せる訳ではないのだから思う存分批評家になって良い。

 

読書感想文は「あなたの感想」を存分に伝えても良い宿題だ。

普段言えない意見も登場人物にぶつけていけばいい。

 

みんなの読書感想文が少しでも「あなたらしい」ものになりますように。

 

『読書感想文を書くポイント』

  1. 一文目、あらすじは簡潔に書く
  2. 心に残ったシーン一つに対して妄想を広げていく
  3. 聞きたいのは感想。自由に好き勝手に感想や意見をぶちまけていく

 

例文に「桃太郎」で読書感想文を書いてみた(読んでもない。思い出しながら書いてみた)。こんな程度で許されるのか、と誰かに勇気を与えられたら嬉しい。

 

 

勇敢な少年のお話、のはずが、私が読み終えて一番に芽生えたのは、もやもやとした感情だった。

この話は、桃から生まれた桃太郎がお供を連れて鬼退治にいくというお話だ。あらすじだけなら勇敢な少年が、周りのために鬼を退治するかっこいいお話のように聞こえる。でも、実際には少し違う。

桃太郎は、鬼退治に向かう途中、犬、猿、雉を仲間にする。この仲間にする方法が少し引っかかるのだ。

桃太郎はおばあさんからもらったきびだんごを腰につけて向かうのだが、それを見た動物たちが「ひとつ分けてくれないか」と申し出る。なにも、全て渡せと脅している訳ではない。美味しそうだから、なんかいいなと思ったから、一つだけ欲しいとねだっただけだ。それなのに桃太郎はその見返りに鬼退治のお供をしてくれというのだ。

村の人が恐れていた鬼を退治しにいくことと、きびだんご1つではあまりに見合っていないと思うのは私だけだろうか。そこで了承してしまう動物たちもいかがなものかと思わなくもないが、それよりも私は、そこまで図々しいお願いをする桃太郎に不信感を抱いてしまった。

私だったらどうだろうか。

母からのおつかいのお願いを受けた時、100円のお駄賃で近所の八百屋に行くのなら素直に受け入れられるだろう。でももしそれが、隣町の蜂の巣の駆除だったらどうだろうか。100円で頑張れる内容ではない、とすぐに母を批判することだろう。

幸いにもこの話に出てくる3匹の動物は素直にその交渉に応じてくれているが、これは動物たちがよっぽど優しかったか、もしくは状況を理解していなかったからとしか思えない。

この物語から、桃太郎の勇敢さや動物の優しさを感じ取るべきなのかもしれない。しかし、私にとっては、相手の負担を軽く見る桃太郎も、自分の力を安売りする動物たちも、もっと真剣にものを考えて欲しいと感じる。

これほどまでに人を動かすきびだんごには魔法がかけられていたのかもしれない。

(799文字)