せっかち小夏のズボラな生活

20代OL気まぐれ日記

私の健気な母

反抗期だった高校生の頃は、「これでもか!!!」ってくらいぶつかった。

言ってくること全てにイライラして、相性が悪すぎる!と県外の大学に進学した。

 

そんな相手だった母と、最近は少し良い関係になっていると思う。

 

とはいえ、反抗期だったことを除いても、私と母は意見が合わないことが多い。

性格は、似ているとは思う。

二人とも不憫なタイプ。

頑固で真面目で融通が利かなくて、正義感は無駄に強い。

社会生活は向いていない。

よく意見はぶつかるし、長時間一緒にいるとやいやい言い合いが始まることが常。

あの頃の母

でも、私も大人になってきて、母の気持ちが少しわかるようになってきたように感じている。

この前、妹と母と買い物に出かけた時に、当時のお弁当の話になった。

母は、決してお弁当に冷凍食品を入れないタイプだった。

「冷凍食品反対!」みたいな自然派ママでは決してなかったけど、彼女の中の信念や食への想いからそうしてくれていた。

運動会など私にとって大切なイベントの日にはリクエストを聞いてくれて、唐揚げだってハンバーグだって準備してくれていたことをよく覚えている。

途中から仕事も始めて大変だっただろうに、頑張ってくれていたの思う。

 

ただ、一方で、私たち姉妹には憧れもあった。

それは、「食べ終わると占いがカップの底に載っているグラタン」

友達のお弁当に入っていて、当時はとても羨ましく思っていた。

 

「あのグラタン憧れだったよね〜!」

 

と盛り上がる私たちに向かって

 

「だから私もグラタン作って入れてたじゃん!」

 

と答える母。

 

?!!!!!!

 

二人で「違うわ!」と総ツッコミだ。

私たちが憧れていたのは「食べ終わった後に見えるカップ底の占い」であって、「お弁当の中のグラタン」ではなかった。

でも、当時の母は、「グラタンが入れて欲しいんだ!」と思い、忙しい中でわざわざグラタンを作って入れてくれていたわけだ。

 

なんと言うか、私の母は、とても素直なのだ。

言われたら、そのままの様子で受け止める。

素直でピュアで健気。

 

昔はそこがわけわかんなくて、もどかしかったりしたけど、今はちょっと愛おしく思ったりしている。

親だって一人の人間。

完璧ではないのだ。

 

親に対して「愛おしい」なんておかしいのかもしれないけど、今の私の母への感情にはこの言葉が一番しっくりくる。

 

頑張りが私たちにとっては空回りなこともあるけど、大事に思ってくれているからこそ出てくる話。

ありがたいな、と思うと同時に、人間らしい母を愛おしく思うのだ。

 

だから、どんなに腹がたっても、分かり合えなくて悔しくても、憎めないし嫌いになれないのだけど。

 

大人になって、程よい距離感を掴めるようになったのかもしれない。

以前よりは物理的距離が縮まったけど、ぶつからない上手な距離で付き合っていければと思う。