せっかち小夏のズボラな生活

20代OL気まぐれ日記

優しいお父さん上司の昼食事情

会社には敵ばかり!!みたいな毎日を送っているけれど、少しは良い人もいる。

 

自分の父親と同じくらいの年齢のお父さん上司。向こうにも私と同じくらいの歳の子どもが3人いるらしく、なんだか父親のような安心感がある人だ。

 

単身赴任が長いらしいが、家族のことが大好きで、事あるごとに奥さんやお子さんの話をしてくるから面白い。

「惚気ですか?!!!」と思うような奥様とのエピソードをなんの躊躇いもなく話してくるその人は定年間近。いつまでもそんなふうに大切に思える家族がいるなんて素敵なことだなぁといつもニヤニヤしながら話を聞いている。

 

そんなお父さん上司が急にお休みを取ることになり、いつもその人が食べているお弁当を譲り受けた。

 

私の職場では、毎日お弁当屋さんがお弁当の配達に来る。

あらかじめ1週間分注文しておいて、給料から天引きしてもらうシステムだ。

使っても使わなくてもそれぞれの自由。50以上のおじさんたちが主に利用している。

 

お休み連絡を受けたのが私だったこともあり、その上司のお弁当をもらえた。

私は、昼食を持参していたので、その日の夜ご飯として持ち帰ることに。

 

 

退社後、家でお弁当を温める。

海老カツ丼の具とカレーが主なおかず。

お米は別トレーに入っていたのだけど、ご飯に乗せるおかずが2つも入っているなんてかなり奇妙だ。

作られてから時間が経ってしまっていたからだろうか。

お米はパサパサしている。というより、なんだか美味しくない。

 

おかずもパッとしない味で、食べ終わると、なんだかとてもわびしい気持ちになった。

 

私の会社は、大好きな家族と離れて単身赴任をしている人が多い。あの人たちはお世辞にも美味しいとは言い難いお弁当を毎日食べている。

夕飯は自炊しているみたいだけど、お弁当までは作る気力が出ないのか。

 

来てくれているお弁当屋さんが悪いわけではない。

もちろん一生懸命作ってくれているだろうし、忙しい社会人にとってはありがたいシステムだ。価格的にもあの感じが妥当なのだとも思う。

 

でも、でも。

食品を扱う仕事をしている人間の昼食がこれなんて、ちょっと悲しすぎやしないか。

 

私のお弁当だって決して立派なものではない。

白ごはんに、茹で卵、炒め物を少し。

それでも、私にとってはあのお弁当よりは落ち着くお弁当の自信がある。

 

単身赴任の人たちと、私の生活はほとんど同じはず。

働いている時間だってほぼ同じ。

 

あと少し頑張れば美味しいものが食べられるのではないだろうか。

 

食の大切さを熱弁して入った会社でこんな切ない思いをするとは思わなかった。

しかも、いつも優しい上司が毎日あのお弁当を食べていると思うと切なさは倍増だ。

 

美味しく、楽しく、幸せな食事。

みんなの食事がそんな素敵な時間になってほしいと願うばかりだ。