入籍の数日後、祖父母のところへ報告へ行った。
離れた件に住んでいるので、コロナ禍もあって5年ほど会えていなかった祖父母の家に行ってきた。
常識的に考えれば。
祖父母くらいの距離感の親戚には、入籍前に伝えるものだと思う。
そんなことはわかっている。
うちは、親戚付き合いが濃い。
本当に濃い。
集まると、祖父の兄弟、その子どもたちまで集まるくらいだから。
でも、だからこそ、事前には伝えたくなかったのだ。
伝え忘れたのでも、常識をわかっていなかったのでもなく、伝えなかった。
くだらないと思う人もいるかもしてないけど、その理由は「入籍するその瞬間までどうなるかわからないから」
婚約もしていれば、もうそれはするってことでしょうと思う人もいるだろうけど、自分の決断に後悔はしたくないから、ギリギリまで判断の余裕を持たせたかったのだ。
自分に対しても、彼に対しても。
入籍準備までの間にどうしても受け入れられないことが見つかることもあるかもしれない。
相手から、やっぱり無理かも……と申し出がある可能性も捨てきれない。
自分のことしか考えていないって非難されちゃうかもしれないけど、結婚の当事者は私たちなので、ね。
「結婚する、じゃなくて、したの?!」
そう言われてしまったけど、なんとか理解してもらえた。
式をしないというのが、納得材料だったのかもしれない。
私とパートナーだけの話だと思っていたけど、思ったよりも色んな人を巻き込むものなんだなとしみじみ思った。
正直めんどくさいし、事実婚を選ぶ人の気持ちもわかるな。
おじいちゃん、おばあちゃん、非常識な孫でごめんね。