せっかち小夏のズボラな生活

20代OL気まぐれ日記

憧れだった

なんだか懐かしい、優しい気持ちを持てた時、「憧れ」が「憧れだった」に変わったことを自覚する。

 

憧れの大学

1回目は大学受験。

行きたくて行きたくて仕方ない大学があった。

受験勉強中は四六時中その学校のことを考えていたし、隅から隅まで調べていた。

いつかそこで大学生やるんだって。

 

でも、結局実力不足で、点数は全く足りず、滑り止めも受けていない、浪人も選択肢もない、だった私はセンター試験を泣きながら自己採点をした後に、受ける大学を変えた。

結局行ったのは、まるで想定していなかったあたたかいの土地の大学。

いつまでもウジウジしていられなかったのと、純粋に一人暮らしが始まったことの嬉しさで、入った大学で頑張れば良いか、と切り替えたけど、しばらくは思い出して心がギュッとしていた。

 

「心から行きたかった大学」

 

自分の人生に思い入れが強すぎるからこうなる。

周りから見たら、そんなに想いを馳せる大学?という感じだったかもしれないけど、学べることとか、大学の雰囲気とか、そういうのが当時の私にはすごく刺さったのだ。

 

でも、これも、今では「当時の私」と言える。

だって、大学生活が本当に本当に楽しかったから。

知らない土地で新しい生活。

高校の時に思っていた学部とはちょっと違っちゃっていたけど、魅力的な教授や同級生たちに刺激いっぱい、学びいっぱい、尊敬いっぱいの大学生活だった。

だから、今はもう大丈夫。

憧れだった大学のクリアファイルを見て胸が痛まなくなったことに気がついたのは、大学卒業の頃だったと思う。

 

 

そして今。

憧れの仕事

つい最近まで憧れていた会社があった。

私にワインの魅力を教えてくれた会社。

就職活動の時に1DAYインターンシップで、その会社の、そしてワインの虜になった。

絶対にそこの会社に入る!と思っていたのも束の間、笑っちゃうくらいの人数とレベルの高いライバルの中ではそんな熱意も意味なく、書類選考であっさり落ちた。

 

で、前職に就職してからもその思いは消えず。

いつか力をつけて転職するぞ、とずっと思っていたし、中途の求人票を何度も確認していた。

今回の転職活動の時も、もちろん選択肢に入っていた。

ただ、営業経験期間が足りなくて。

全然違う、今の会社に入った。

 

結果、まだ3ヶ月くらいしか働いていないけれど、最高に楽しく働いている。

仕事の難しさは感じているものの、素敵な社員さんに囲まれて、やりがいを感じながら働けているのだ。

 

クリスマスのためのワインを買いたくて、一番に思い浮かんだのはその憧れの会社だった。

店舗もやっているその会社でぜひ買いたい。

日を決めて仕事帰りにその店舗に向かった。

 

その時の気持ちが、吹っ切れたことを教えてくれた。

 

店舗に向かっている最中も、ついてから選んでいる最中も、憧れだったその仕事をしている店員さんにおすすめを聞いている最中も、私の心には「たのしい!」の気持ちしかなかったのだ。

 

そこに、チクっと刺さる感情はなく、どちらかというと、懐かしいようなそんな感情。

 

あぁ、憧れが思い出になったんだなって。

 

もちろん、今でもそこは私にとって素敵な場所だけど、「頑張って仕事をして、稼いだお金でまた買いにこよう」と思ったのだ。

憧れていた時の熱意がなくなってしまったのは少し寂しいけれど、これは成長の証。

自分の今に心から納得しているから、幸せだから、こそ出てくる感情。

別に向上心がなくなったわけではない。

小さな苦しさから解放されただけ。

 

素敵なワインが手に入っただけじゃなくて、今の自分の成長としあわせを感じることができた。素敵なクリスマスになりそう。

 

「憧れだった」

寂しいけど、悪くない響きだと私は思う。